一般的に医療と言うと、病気による症状を様々な医療技術・医療機器を用いて治療することをイメージされている方が多いのではないでしょうか。しかし、今の日本の医療環境は確かに急速に高度な医療技術の普及など目覚ましい発展を遂げてはいますが、ターゲットが病気に絞られその病気を抱えている患者様への配慮に欠けている気がします。
そんな環境の中、中島歯科医院では本来医療の中心である“患者様への利益”を最優先にした歯科医療を目指しております。
更にご理解頂けるよう、当医院の基本的な医療理念及びトリートメントフローを簡潔に御説明いたします。

まずは患者様の主訴をお聞きし問診・視診等による診査を行い診断が確定します。
ここまでは全ての患者様に共通な流れですが、この先具体的な治療を開始するに当たっては様々な因子が関与・考慮した後に治療方針が決まり治療開始となります。
ではその様々な因子とはなんでしょう?医療を提供する側(医療機関)・される側(患者様)別に挙げてみましょう。
医療を提供する側(医療機関)
- 歯科医師を中心とした医療従事者の知識・技術レベル・コミュニケーション能力
- 歯科医師の医療哲学
- 臨床経験
- 歯科医師の倫理観
医療を提供される側(患者様)
- 患者様ご自身の口腔内を中心とした健康意識レベル
- 患者様の経済状況
- 患者様の時間的な制約
- 患者様の性格
ここでやや極端な臨床例ですが、症例を通して口腔内には見えない患者様の背景を考えてみましょう。
この患者様は60歳代の会社員男性で右上奥歯の揺れを主訴に来院されました。問診から約20年ぶりの歯科受診だそうです。ご覧のように物が噛める場所は前歯のみですが、特に咀嚼障害も審美障害も訴えておりません。
数か月の間にこのような状態になったとは当然考えられませんが、何故この患者様は20年間もの間放置したのでしょうか?健康意識にかなり疎い方なのか、経済的な理由なのか、歯科治療に対する恐怖心からなのか、それとも長期療養中で歯科受診が出来なかったのか、・・・・・などその背景を考慮した治療計画が必要となってきます。

このように簡単に1つの治療方針は決定しません。同じ診断名でも患者様や医療機関によってその治療方針は変わり何通りの治療方針が計画されても不思議ではありません。
仮に医学的にベストな治療方法であっても、患者様がその治療方法を何らかの理由で受け入れて頂けないのであれば、その治療はある意味over treatment (過度治療)とみなされるでしょう。
一般的に100%リスクを伴わない治療方法などありません。riskを上回るbenefit(利益)が患者様に提供出来る治療計画を立案する事が肝要かと思います。
また治療ばかりに気を取られ再発防止・予防への意識の低い患者様もまだ多くいらっしゃいます。再治療は患者様に多くの肉体的精神的苦痛、経済的負担が増すと、同時に歯を失うリスクも高くなります。
従って当医院では再発防止・予防を治療と同等に位置づけ定期検診にて治療後のサポートもスタッフ一丸となって取り組んでおります。
歯の大切さ・口腔機能の重要性を今一度考えてみてはいかがでしょうか。
中島歯科医院 院長 中島 徹